宮本百合子
底本:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社
1981(昭和56)年5月30日初版発行
1986(昭和61)年3月20日第2版第1刷発行
底本の親本:「宮本百合子全集 第十五巻」河出書房
1953(昭和28)年1月発行
初出:「宮本百合子選集 第五巻」安芸書房
1948(昭和23)年2月発行
※底本は、物を数える際や地名などに用いる「ヶ」(区点番号5-86)を、大振りにつくっています。
入力:柴田卓治
校正:土屋隆
宮本百合子
わたしはその頃の日本のすべての人民の苦痛と精神も肉体も不具にされていた日の記念として、きょうではおかしく意味の不明瞭に書かれている文章のまま、傷ついている姿のまま、作品をのこしておく。愛する日本が、また再び作家にかたことを云わせるような非条理な強権に決して屈することのないように。言論の自由ということは、どんなに人間の社会生活にとって基本的に主張されなければならない重大な権利であるかということについて忘れないために。
一九四八年二月十四日
〔一九四八年二月〕